春よ来い

立春は遥かに過ぎたとは言え、春は名のみの風の寒さである。少し暖かな日が続いたと思えば、すぐさま寒波がやって来て真冬並みの寒い日が戻って来る。

それでも、2月も余すところあと2,3日。長く厳しい冬だったが、過ぎてしまえばあっという間という感がある。

我が家の庭もこの時期、毎年決まったローテーションで色々な花が咲いては散っていく。

年が変わると、真っ先に甘い香りを漂わせ咲き始めるのがロウバイだ。するとヒヨドリがやって来て遠慮容赦なく食い荒らす。そんな逆境を跳ね除け、ロウバイはやがて満開となる。その頃を見計らったようにスイセンが咲き、そして、オレを忘れてもらっては困ると言わんばかりに梅がほころぶ。

傍らにはロウバイや梅のような華やかさはないが、クリスマスローズが咲いている。我慢強い花で、恐らく12月頃から厳しい寒さにも負けず、ひっそりと咲いていたのだろう。

やがて、密集した枝にこぼれんばかりのつぼみを付けていたミモザが満を持したように開花する。同じようにジンチョウゲやアセビもしっかりとつぼみを付けて順番を待っている。

こうした早春の花々が咲き終われば、我が家の庭も春本番。色々な花々が一斉に咲き出し、一年中で一番華やかな季節を迎える。

それは同時に、草取りや剪定といった庭仕事に奮闘しなければならない時期が到来したことを意味する。そして咲き誇る花々の美しさは「今年もまた老体に鞭打って頑張ろう」という強力なモチベーションに繋がっていく。