猛暑の中のジョギング

連日の猛暑、さすがに35℃を超えるとジョギングをしようとする意欲も減退するが、禁煙中のヘビースモーカーが、いかにも落ち着かない素振りを見せるのと同じように、2日も経過すると、走りたくてウズウズして来る。

当然、猛暑日は17時を過ぎても30℃は遥かに超えている。それでもジョギングウェアを着込み、冷感マスクを着用して家を飛び出す。走り馴れているせいか、走り出すと思ったより熱さは感じない。

住宅街の道は、住宅の影を縫って走る。周りに人がいなければマスクをずらし、近づいてくるとセットし直す。

やがて小金井公園に到着すれば、鬱蒼とした緑で体感温度は5度以上低くなる。爽やかな風も吹いて来る。

もちろん半端ない汗は流れている。しかしその汗は心地良い。身体中に溜まった汚物が排出され、スッキリとした気分になる。

気がついてみれば8月も後半、走り終わって家に戻る時間になると、日射しにも空の色にも何処か「夏の終わり」を感じる。

シャワーを浴びて、一息ついて、晩酌のビールを飲んでいると、夜のとばりがおりた我が家の庭から、すだく虫の音がかすかに聴こえていた。

まだまだ猛暑が続いて今夜もまた熱帯夜だが、確実な季節の移ろいを実感した一日だった。