青梅マラソン2020

朝からポツリポツリ来ていた雨が、スタートラインに並んだ頃には、かなりの大粒の雨に変わっていた。途中でずぶ濡れになって足でも攣ったらどうしようかと、少し不安な気持ちになっていると、例年通りスペシャルゲストの高橋尚子が挨拶。「ランナーにとっては、このくらいの雨が一番ベストタイムも期待できるベストコンディションなんですよ」いつもの元気な声で激励されても、やっぱり不安は払拭出来ないままに走り始めた。

しかしその言葉通り、走り始めるとすぐに雨は全く気にならなくなった。帽子のツバから水滴がしたたり落ちても気温が高かったせいか、雨が優しく体を包んでくれているように感じた。

痛みと闘いながら足を引きずるようにして走っていた去年とは大違いだった。3キロ、5キロと過ぎても心配していた足腰の張りや痛みは感じなかった。「今年はいけるぞ!」そんな思いが次第に強くなった。

痛みもなくただ純粋に楽しんで走れることが、こんなにも幸せなことなんだと、本当に久しぶりに噛みしめながら走った。

ここ数年、これがラストランかも知れないと思い続けていたことが嘘のように、まだまだこれからも青梅マラソンを走れるぞと実感出来たことが何より嬉しかった。

ゴールする頃には殆んど雨も上がって、心は晴れやかだった。