夕暮れの小金井公園をジョギング

長かった猛暑の後に続いた長雨が上がったある日、待ちかねたように家を飛び出し、まだあちらこちらに水溜まりの残る夕暮れの小金井公園をジョギングしました。

雨上がりの鬱蒼とした緑と清涼な空気は、30度をくだらない真夏の夕方とは比較にならないほど爽快でした。垂れ込めた雲間から夕陽が差し込んで、視界すべてが茜色一色に染められたとき、この美しい光景を独り占めしているかのような錯覚にとらわれました。

気がつけば、あれほど賑やかだった蝉時雨も今はなく、どこからかかすかな虫の音が聴こえていました。こうした夏から秋への季節の移ろいを目、耳、鼻、肌で感じ取りながら、そして何より健康であることの喜びを噛みしめながら、老い先短い七十路をゆっくりと走ることがジョギングの最大の楽しみなのです。